ニューロン活け造り

おすすめはわさび醤油

第八回プロト歌会

シャニマス詩歌部さんの第八回プロト歌会に提出した歌の解題になります。

 

 

ユニット指定部門【題:283プロユニットメンバーを除くキャラ】

天撫づるわがの御手は夕食のさんまのひれの生れ変わりとぞ/幽谷霧子の母

 

霧子さんのお母さんが主体の歌です。

【数・数・娘・娘】や【縷・縷・屡・来】などでの霧子が幼かった頃の家庭描写からインスピレーションを受けていますが、いわゆる存在しないコミュの短歌となっています。(わかりにくくてすみません)

珍しい形の雲を見つけたのか、もしくはお父さんに肩車をしてもらって喜んでいるのか、はたまた授業参観で挙手をしたのか、なにがしかの理由で空に向かって手を伸ばしている霧子に、お母さんが昨日食べたさんまのぴんとひれを伸ばすさまを重ねる……そういった感じの歌意です。伝聞の「とぞ」で締めたので、あるいは霧子自身がそう言っていたのかもしれません。

【縷・縷・屡・来】を読んで、幽谷家が霧子さんの感性や世界観をやさしく受け止めてくれる場所であることがわかったのがうれしかったな、という気持ちから詠んだものでした。霧子さんのブランケットに「るるるく町」と名付けたのはお母さんだったようですから、むしろ霧子さんがお母さんの感性に影響を受けている部分もあるのかもしれません。

七つまでは神のうち」と言いますが、同カードで語られた幼少期の霧子さんが高熱を出して病院に運ばれたエピソードを見るに、お母さんはこの言葉を親として、医者として、しみじみと実感することが何度もあったのではないでしょうか。

イベント「アイムベリーベリーソーリー」を始めとして、霧子さんの登場するエピソードには彼女の死生観に触れるものも多いです。生と死の境界というのは存外身近な場所にあるもので、ゆえにこそ今目の前で像を結んでいるいのちがよりいとおしく見えるような。そんな彼女のコミュの魅力を、幽谷家の日常の一ページを通して描きたかったうたでした。

ところで鱗鱗謹賀といい数数娘娘といい縷縷屡来といい霧子の家族の話をしてるカードが軒並み限定なの、これは一体どういうことですかシャイニーカラーズさん

 

 

トワコレ霧子のコミュをうけての歌をずっと作りたかったもののなかなか着手できずにいたので、二次創作としてはすこし変わった角度からのアプローチに挑める今回のお題に助けてもらったなという思いです。惜しむらくは所用で歌会当日に出席できなかったことと、期限を勘違いしていてうっかり投票しそびれてしまったこと……